「ピカピカがっこう」創業者の想い

岩村考治(がんちゃん、ピカピカ先生)

〇第三の場を創る

ぼくがまだ小学生だったころ、兄からひどいいじめを受けました。一番安心できるはずの家が、その時は地獄に変わっていました。
毎晩毎晩、殴られ、蹴られ、執拗に責められる。
敷いている兄の布団が1センチでも曲がっていたら、それを不満に殴られました。
毎日が絶望で、「大きくなったら兄に仕返しをしてやる」という恨みの感情に溢れていました。

そんなぼくにとって、唯一の安心できる場所は学校でした。学校では、そんな状況とは関係なくぼくと遊んでくれたり話をしてくれたりする友達がいました。

それから、いじめのことをずっと引きずって生きていましたが、大人になってからそのことを兄と直接話し、和解することができました。
それ自体はぼくにとって本当に嬉しいことでしたが、
その時に兄から

「この話は墓場まで持っていくつもりだったのだけど…」

と言われて当時の兄の話を聴かされました。

実は、兄は当時中学校で、ぼくが受けたよりもはるかにひどいいじめを受けていたのです。人には言えないような内容の数々を、絞り出すように話してくれました。
「こんなこと、普通の人間はやらせないよな…」
と話す兄の声は、震えていました。

それから、いじめや不適応による登校しぶりなどの相談を受けるようになりました。
子どもの権利である「教育」を受ける学校が、子どもたちにとって必ずしも安心してチャレンジできる場所ではなくなってしまっているケースを、たびたび耳にするようになったのです。

また、ぼくは現役の学校教員ですが、過去には子どもたちが勉強を「やらされている」と捉え、本来「権利」であるはずの教育にみずから主体的に取り組めない状況にも、たびたび出くわしてきました。

現場に出ている人間だからこそ言えますが、ほとんどの先生は本当に熱心で力量のある方です。だからこそ、このような問題を改善できる「システム」が必要だと感じるようになりました。

そこで、ぼくは家でも学校でもない「第三の学び場」をつくることにしました。

〇こだわったのは「活動」ではなく「主体性」

最初は迷いました。

活動はどうする?
勉強?運動?

でも、それのどれもが「活動の限定」につながってしまうように感じました。最終的に残ったのは、何かの「活動」ではなく「主体性」というとても抽象的なものでした。

子どもたちが安心安全の場所で、自分たちの行動を自分たちで決めていく「主体性」に特化した場。それが「ピカピカがっこう」です。

人から決められたことは、失敗すれば人のせいになります。

本当にやりたいことを見つけるには、一人一人が自己決定し、行動し、その結果を自らが引き受けることから始まります。それは子どもたちにとっては、大人が思っている以上に面白いことです。

自分で思ったことを行動できる。しかもそれが実現していく。

ピカピカガッコウに来た子どもたちに話を聴いていくと、「自分たちで決めて活動できるのが楽しい」と言います。

保護者の方からも、
「年長の息子が、先日川遊びをしに行ったときに転んで水浸しになって。今までなら「ママ!」って泣くだけだったのが、自分で服を脱いで着替え始めました。」

なんて話をしてくれるようになりました。川遊びで自分のしたいことをした結果を、自分で引き受けられるこの子の成長に、心から嬉しくなりました。

〇自己決定のサイクルを回して自立する

みなさんが子どもの頃、たいていのことは親から決められ、物事は親の目を気にしたり、親から怒られて仕方なくやっていたのではないでしょうか?

子ども時代に、自分がやりたいことを見つけ、思い切りチャレンジする場があったなら、なんと幸せなことでしょう。

自己決定をし、それを行動し結果を引き受け、また決定する。このサイクルを回した回数が、その子の自立を促していきます。

そんな環境で育った子どもたちは、大人になって失敗をしても決してくじけることなく、チャレンジを続けていくことができるでしょう。

20年前に、スマホ一つでなんでも調べられる今の時代を予想できたでしょうか?youtuberが全盛のこの時代を予想できたでしょうか?

これから20年後、子どもたちが大人になった未来を予想して用意してあげることは、おそらくぼくらにはできません。

でも、どんな環境に置かれても自分で選択し、後悔のない人生を送るようにしていくというマインドを持っていたら、どんな時代になっても大丈夫です。

そして、そんな場を自ら次の世代に用意してあげられる人が、増えていったらいいと私は思うのです。

安心安全の場で
自らの責任で行動し、
自分のやりたいことを見つけチャレンジし続ける

そんな場を、私は子どもたちとともに創り続けていきます

ピカピカがっこうに参加するには?

 

ここからは・・・

ピカピカがっこうのとある1日の流れをストーリー仕立てでご紹介します!

 

ある日のピカピカがっこう

「ソウタ、おはようー」

ぼくがピカピカがっこうに着くと、先にいたタケルが笑顔で出迎える。

相変わらず、ぼくらの距離はやたら近い。波長が合うっていうのはこういうことを言うのだと思う。

前回は、室内のひみつ基地に貼る絵画をつくっていた。

屋外のひみつ基地を作ったり、大家さんが育ててくれたぐみの木になっている実を食べたりと、やりたいことは尽きない。

次々にメンバーがやってきて、朝のミーティングが始まった。

朝のミーティングでは、その日にやることや注意点を確認する。

以前はその日に来てからやることを決めていたんだけど、決めるのには結構時間がかかっていた。
最近は帰りのミーティングで次にやることを決めてから終わるようにしたおかげで、朝のミーティングはスムーズだ。

 

ピカピカがっこうは体験参加もできる

とはいえ、雨が降ったり人数が突然増えたり、突発的なこともある。
校長のがんちゃんがチラシを配りまくっているから、今日なんか体験の子が10人もいるのだ。

ぼくらとしても、一緒に活動する仲間が増えてくれるのは嬉しい。だから、今日は体験に来た子たちがピカピカがっこうのことを気に入ってくれたらいいな。ぼくができることをやろう。

今日は、午前中は体育館を借りてドッジボールや鬼ごっこ。お昼はいつもの公園で食べる。そのあとにやる全力鬼ごっこが楽しいんだ。子どもも大人も全力で追いかける。

そのあと、いつものお寺に寄ってからがっこうに帰る。
お寺の遊具は保育園の子たちに大人気だ。おれたち年上の「じじい組」はけっこうゆったり見守っている感じ。

午後はひみつ基地づくりの続きをしたり読書をしたりと、それぞれの活動をする。プラ板も結構人気で、やる人も多い。

いまは、夏祭りに向けてお店作りが盛り上がっている。マホがつくったパンチングマシーンは風船がしぼんでしまったので、本番までに作り直さなきゃだ。

困ったことがあったら、スタッフのあやっちに相談する。
ピカピカがっこうにいる大人は、ぼくらのことを信頼しているのをずっとサインで出してくれているから、安心して遊びやものづくりができる。

ぼくが何気なくくつならべをしたら誉めてくれて、それからくつをならべるようになったんだよね。

がんちゃんは、

「自分たちで決めて、自分たちでやりきるのが大切だよ」

っていつも言っている。
やらされたことって、だいたい人のせいにしてやらない。だから、自分で決めて責任をもってやりきるほうがいい。

一人でやるわけじゃないから、うまくいかないこともけっこうある。

こないだは、ひみつ基地づくりをやるって言ったのに手伝わない子に、

「出来上がってから使いたいなら、一緒にやった方がいいと思う」

って言って話し合いをしたこともある。

人どうしのバランスをとるのって簡単じゃない。でも、やりがいもある。

自分のやりたいことだけを100%やれる環境ってそうそうない。だからこそ、周りの人やものとのバランスを見ながら自分のやりたいことを実現していく力が必要なんだって。

さて、今日はどんな日になるかな。

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